気になる新刊

【2022年8月】気になる新刊10選

2022年8月2日

はじめに

2022年8月の新刊860冊のなかから、文芸編集者の気になる10冊を厳選!
本屋大賞受賞作家の新刊、あの大人気シリーズのガイドブックなど、今月も注目作品が盛りだくさん。気になる新刊はぜひ近所の書店やAmazonでご予約を!

オススメ作品

凪良ゆう『汝、星のごとく』

広瀬すずさん、松坂桃李さん演じる映画も話題!2020年本屋大賞受賞作『流浪の月』の作者による、"ひとつではない愛の物語" 。何とも美しい装丁にも惹かれます。2023年本屋大賞ノミネート作として発表されました!

こんな人におすすめ

  • 本屋大賞作家を読みたい
  • 直木賞候補作を読みたい
  • 瀬戸内に縁がある
  • 切ない恋愛小説が好き
  • 「愛」について考えたい

その愛は、あまりにも切ない。正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

講談社HP

第168回直木賞候補にノミネート!候補作はこちらの記事で紹介しています!↓

2023年本屋大賞ノミネート作が知りたい方はこちら!↓

東浩紀『忘却にあらがう 平成から令和へ』

『観光客の哲学』の批評家・東浩紀さんの評論集。東日本大震災、新型コロナの大流行、ロシアによるウクライナ侵略……、"転換期"に迫り、記憶するために、読んでおきたい1冊です。

こんな人におすすめ

  • 批評が好き
  • ビジネス書をよく読む
  • 今の社会情勢を知りたい
  • 問題意識を持ちたい
  • 思考力を養いたい

いま必要なのは短絡的な動員ではなく、忘却に抗う力だ。天災、疫病、祭典、犯罪、戦争。平成から令和への転換期に、ジャーナルな事象の「意味」を語り継ぐべき記憶へと書き換える。東浩紀が世界的な転換期と5年にわたり対峙した決定的時評集。

朝日新聞出版HP

朝井リョウ『そして誰もゆとらなくなった』

直木賞史上初の平成生まれの受賞者・朝井リョウさんによる、大爆笑エッセイ完結編!ほどよい自虐と失敗談が、何とも愛しく笑えてしまうのです。

こんな人におすすめ

  • 直木賞作家を読みたい
  • とにかく笑いたい
  • 仕事に疲れている
  • お腹が弱くて悩んでいる
  • 人生を丸ごと肯定したい

『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。怒涛の500枚書き下ろし!頭空っぽで楽しめる本の決定版!
・修羅!腹痛との戦い
・戦慄!催眠術体験
・迷惑!十年ぶりのダンスレッスン
・他力本願!引っ越しあれこれ
・生活習慣病!スイーツ狂の日々
・帰れ!北米&南米への旅etc……
一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。
楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。

文藝春秋HP

朝井リョウさんのオススメ本はこちらの記事で紹介しています!↓

万城目学『あの子とQ』

『鴨川ホルモー』『プリンセス・トヨトミ』の作者による"ミラクルな吸血鬼×青春小説"。「万城目ワールド」炸裂に期待大です!

こんな人におすすめ

  • 万城目ワールドが好き
  • 奇想天外を味わいたい
  • 吸血鬼に憧れていた
  • 冒険小説が好き
  • ワクワク感を味わいたい

ある朝、高校生の弓子の前に現れた「Q」と名乗るトゲトゲのばけもの。その正体は吸血鬼の監視役!? ミラクルな吸血鬼×青春小説!

新潮社HP

新潮社編『「十二国記」30周年ガイドブック』

小野不由美さんの『十二国記』シリーズ30周年を記念した、シリーズ初のガイドブック!ファンタジー好きの方はいまから読んでも遅くありません。ファン必携の1冊です。

こんな人におすすめ

  • 十二国記のファン
  • 小野不由美さんが好き
  • ファンタジーが好き
  • 歴史小説をよく読む
  • シリーズものに挑みたい

1991年に新潮文庫の一作として発表された『魔性の子』は、その後、「十二国記」シリーズの「はじまりの物語」となり未来に繋がる——。30年の時を経て、初版3万部で始まった一冊が、《完全版》全10点15冊の累計1280万部を超える大作となった今、改めて作品世界を振り返り、様々な視点から「十二国記」の30年史を辿る、シリーズ初の「ガイドブック」。

新潮社HP

辻村深月『嘘つきジェンガ』

『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞、『かがみの孤城』で2018年本屋大賞を受賞した辻村深月さんが「見栄」や「嘘」といった人間の業を巧みに描いた中編集。

こんな人におすすめ

  • 本屋大賞作家を読みたい
  • 直木賞作家を読みたい
  • 忘れられない嘘がある
  • つい見栄をはってしまう
  • 人間の心の闇が見たい

『鍵のない夢を見る』から10年、辻村深月が詐欺を描く。幸せが欲しくて嘘にすがりついてしまう人間の哀しみが、心に迫る3篇。

文藝春秋HP

辻村深月さんのオススメ本はこちらの記事で紹介しています!↓

石沢麻依『月の三相』

独特の世界観を構築した『貝に続く場所にて』で芥川賞を受賞した石沢麻依さんの受賞後第一作。"記憶と幻想"が幾重にも交差する、幻想的な純文学として読み応えがありそうです。

こんな人におすすめ

  • 芥川賞作家を読みたい
  • 世界文学をよく読む
  • 純文学が好き
  • 難解な小説に挑みたい
  • ドイツに縁がある

デビュー作にして芥川賞受賞作『貝に続く場所にて』に続く、最注目の受賞第一作!
「フローラが失踪した」。旧東ドイツの小さな街に広がる噂が、歴史に引き裂かれた少年と少女の物語を呼び醒ます。分断の時代を越えて、不在の肖像をたどる旅。(略)旧東ドイツに位置するその街では、誰もが自分の「肖像面」を持っていた。面に惹かれて移り住んだ三人の女たち――望、グエット、ディアナは、失われた「顔」を探して、見えない境界を越えていく。いくつもの時間が重層する街で、歴史と現在、記憶と幻想が交差して描き出す、世界の肖像画。

版元ドットコム

青山美智子『いつもの木曜日』

2022年本屋大賞第2位『青と赤のエスキース』の作者による、心あたたまる"絵本のような"物語。『木曜日にはココアを』のスピンオフのようです。『月の立つ林で』は、2023年本屋大賞にノミネートされています。

こんな人におすすめ

  • 誰かと一緒に読みたい
  • 絵本が好き
  • ココアをよく飲む
  • 行きつけのカフェがある
  • 本を読んで癒やされたい

2021年、2022年本屋大賞2位受賞作家・青山美智子さんが贈る『木曜日にはココアを』に繋がる温かな物語。累計26万部を突破した『木曜日にはココアを』。その12編の物語に登場したワタル、朝美、えな、泰子、理沙、美佐子、優、ラルフ、シンディ、アツコ、メアリー、そしてマコ。これは彼、彼女たちがあの日に出会う前の物語。そんな前日譚を田中達也さんが作ったミニチュアとともに読む、絵本のような小説です。カップにココアが注がれるその瞬間を味わってください。

版元ドットコム

金原ひとみ『デクリネゾン』

綿矢りささんとともに史上最年少で芥川賞を受賞した金原ひとみさんによる長編小説。タイトルはフランス語で、「さまざまな調理方法でひとつの食材を生かすこと」を意味するようです。

こんな人におすすめ

  • 芥川賞作家を読みたい
  • 思春期の子どもがいる
  • 「普通」の押し付けが嫌
  • モヤモヤを吐き出したい
  • 強い女性に憧れている

仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた最新長編小説。二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるがーー。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。
「母親と恋愛って、相性悪いよ。ママは無理やり両方こなしてただけじゃん。何だかんだしょっちゅう家空けてたし」「多くの人はゼロか百かで生きてないんだよ。二、八とか、六、四とかで生きてる。今は世界的にステップファミリーが増えてるし、母親とか父親を恋愛と切り離すのは保守的かつ不自然だよ」「私はただ、今の生活が心地いいって言ってるんだよ。ママがデートに行くたびにパパたちとかおばあちゃんが駆り出されてるの、なんかちょっとなって思ってたし」「子供を持ったら恋愛するなって言うの? 別に子供の心地よさを追求してやることだけが親の人生じゃないでしょ。きつかったかもしれないけど、受験勉強をしたから理子は今の中学に入れた。楽な方にいくだけがいいことじゃない」ーー本文より

集英社HP

新川帆立『競争の番人 内偵の王子』

杏さんと坂口健太郎さんがいま月9ドラマで熱演中の『競争の番人』、はやくもシリーズ2作目が刊行!杏さん演じる「白熊楓」が新天地で奮闘する、あらたなストーリーが楽しめそうです。

こんな人におすすめ

  • 『競争の番人』が好き
  • ドラマを観ていた
  • お仕事小説を読みたい
  • ライトなミステリが好き
  • 法曹や官僚に興味がある

謎の脅迫状に巨大カルテル、恋敵(?)も現れて……この業界も私もヤバい。ドラマも絶好調! 霞が関でも話題沸騰の「公取委」ミステリー。(略)公正取引委員会の審査官、白熊楓は、九州事務所への転勤を命じられる。ところが配属先は、前任者が次々と離職しているいわくつきの部署だった。上司のパワハラ、人員不足、慣れない土地での生活に苦しみながらも、内偵業務のエース、常盤とともに、呉服業界の内偵に乗り出す。内偵を進めるなかで、巨大なカルテルの可能性が浮上。本局第六審査長(通称ダイロク)のメンバーたちも博多にやってきて、調査を開始するが……。呉服業界を覆うぶ厚い雲を、白熊たちは取り払うことはできるのか? 『競争の番人』シリーズ第2弾、新天地で開幕!

版元ドットコム

以上、2022年8月の気になる新刊10選でした。
涼しい部屋での快適な読書で、酷暑を乗り切りましょう!

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