気になる新刊

【2022年9月】気になる新刊10選

2022年12月12日

はじめに

2022年9月の新刊800冊のなかから、文芸編集者の気になる10冊を厳選!
王様のブランチの話題作、ミステリシリーズの最新作を一気にご紹介!

オススメ作品

池井戸潤『ハヤブサ消防団』

あの大人気「半沢直樹」シリーズの池井戸潤さんによる最新作。『下町ロケット』『七つの会議』など池井戸作品といえば「ビジネス×ミステリ」ですが、本作はビジネス色は薄く、ミステリエンターテインメントとして楽しめそうな一冊です。

こんな人におすすめ

  • 直木賞作家を読みたい
  • 半沢直樹シリーズが好き
  • ミステリが好き
  • 消防団に興味がある
  • 田舎に住んだことがある

東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る――。連続放火事件に隠された真実とは?

集英社HP

麻布競馬場『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』

Twitterにツリー形式で小説を投稿する「麻布競馬場」のバズりツイートから傑作を集めたショートストーリー集。「地方出身者の東京での挫折」を描き、人々の心をざわつかせると話題です。

こんな人におすすめ

  • ツイッターをよく見る
  • 家賃や年収に興味がある
  • 臭いものほど蓋できない
  • 負け組だと思っている
  • つい人と比べてしまう

東京に来なかったほうが幸せだった? Twitterで凄まじい反響を呼んだ、虚無と諦念のショートストーリー集。「3年4組のみんな、高校卒業おめでとう。最後に先生から話をします。大型チェーン店と閉塞感のほかに何もない国道沿いのこの街を捨てて東京に出て、早稲田大学の教育学部からメーカーに入って、僻地の工場勤務でうつになって、かつて唾を吐きかけたこの街に逃げるように戻ってきた先生の、あまりに惨めな人生の話をします。」(「3年4組のみんなへ」より)

集英社HP

佐原ひかり『人間みたいに生きている』

第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞した『ブラザーズ・ブラジャー』がヒットした佐原ひかりさんの新作。"人間みたいに" 生きている、という謎めいたタイトル、美しい装幀のイラストにも惹かれます。

こんな人におすすめ

  • ジャケ買いする
  • 食に興味がない
  • 大勢での食事が苦手
  • 吸血鬼に憧れていた
  • 人との距離感に悩む

食べることそのものに嫌悪を覚えている女子高生・三橋唯。「食べること」と「人のつながり」はあまりに分かちがたく、孤独に自分を否定するしかなかった唯が初めて居場所を見つけたのは、食べ物の匂いがしない「吸血鬼の館」だった──。

朝日新聞出版HP

夕木春央『方舟』

メフィスト賞出身の新鋭による話題沸騰の一冊。方舟から脱出できるのはいったい誰なのか?ミステリランキングにも続々ランキング入り、いま最も旬な本格ミステリです。2023年本屋大賞ノミネート作として発表されました!

こんな人におすすめ

  • 人気ミステリを読みたい
  • 新本格ミステリが好き
  • ホラー小説が好き
  • 肝試しをよくしていた
  • 最後に衝撃を感じたい

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

講談社HP

2023年本屋大賞ノミネート作が知りたい方はこちら!↓

佐藤青南『犬を盗む』

王様のブランチで話題!デビュー10周年、ライトなミステリシリーズを書きつづけてきた著者による "入魂の慟哭ミステリー"。表紙の犬のつぶらな瞳に心奪われます。

こんな人におすすめ

  • ミステリが好き
  • 犬を愛している
  • 動物を飼ったことがある
  • 「命」について考えたい
  • 本を読んで泣きたい

高級住宅地で一人暮らしの老女が殺害された。部屋には、かつて犬を飼っていた痕跡があり、刑事たちは周辺の捜査を開始する。一方、雑誌記者の鶴崎は、あるスクープをモノにするためコンビニでアルバイトを始める。同じコンビニで働く松本の過去を知る鶴崎は、松本が突然犬を飼い始めたことに驚愕するが――。深まる謎、犬との絆に感涙&一気読み必至!

実業之日本社HP

相沢沙呼『invertⅡ 覗き窓の死角』

ミステリランキング席巻&ドラマ化で話題の「霊媒探偵・城塚翡翠」シリーズ最新作。「探偵の推理を推理する」、かつてない謎が待ち受けていそうです。

こんな人におすすめ

  • 人気ミステリが読みたい
  • 倒叙ミステリが好き
  • 探偵の推理を推理したい
  • ドラマを観ていた
  • 美少女が好き

5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部突破『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、シリーズ3作目! あなたは探偵の推理を推理することができますか? 嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!

講談社HP

久保りこ『爆弾犯と殺人犯の物語』

第43回小説推理新人賞受賞作所収!こちらも王様のブランチ特集で話題のミステリです。「爆弾犯」と「殺人犯」、ミステリクラスタなら血が沸き立つ「物語」をぜひ。

こんな人におすすめ

  • 王道ミステリが好き
  • 新人作家を発掘したい
  • 言えない秘密がある
  • 運命を信じている
  • 夫婦について考えたい

空也が小夜子のスマホを拾ったことで、ふたりは運命的に出逢う。小夜子は学生時代に事故によって左目に義眼を入れていた。空也はその義眼に惹かれ彼女を愛したのだが、事故の原因がかつて自分が造った小さな爆弾であることを知る。秘密を抱えた夫婦が紡ぐ不可思議な物語。第43回小説推理新人賞受賞作を所収。

双葉社HP

道尾秀介『いけない2』

何ともおぞましく禍々しい表紙に、開かずの扉を開いてしまったかのような感覚に。"最後の写真を見たとき、物語は一変する"。『向日葵の咲かない夏』作者による「体験型ミステリ」第2弾!

こんな人におすすめ

  • 直木賞作家を読みたい
  • イヤミスが好き
  • ホラー小説をよく読む
  • 騙されない自信がある
  • どんでん返しが好き

大きな話題を読んだ”体験型ミステリー”第2弾。第一章「明神の滝に祈ってはいけない」桃花はひとり明神の滝に向かっていた。一年前に忽然と姿を消した姉・緋里花のSNS裏アカウントを、昨晩見つけたためだ。失踪する直前の投稿を見た桃花には、あの日、大切にしていた「てりべあ先生」を連れて姉が明神の滝に願い事をしに行ったとしか思えない。手がかりを求めて向かった観瀑台で桃花が出合ったのは、滝の伝説を知る人物だった。

文藝春秋HP

奥田英朗『リバー』

未解決連続殺人と同一犯か?それとも模倣犯か?『空中ブランコ』『イン・ザ・プール』などで知られる実力派直木賞作家による "圧巻の犯罪小説"。

こんな人におすすめ

  • 直木賞作家を読みたい
  • 王道ミステリが好き
  • 鈍器本を読破したい
  • 犯罪心理を知りたい
  • 北関東に縁がある

同一犯か? 模倣犯か? 群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見!十年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口が、街を凍らせていく。かつて容疑をかけられた男。取り調べを担当した元刑事。娘を殺され、執念深く犯人捜しを続ける父親。若手新聞記者。一風変わった犯罪心理学者。新たな容疑者たち。十年分の苦悩と悔恨は、真実を暴き出せるのか───、人間の業と情を抉る無上の群像劇×緊迫感溢れる圧巻の犯罪小説!

集英社HP

川上洋平『余拍』

「ワタリドリ」のロックバンドAlexandrosのボーカルにして作詞作曲を手掛ける川上洋平さんの "生い立ち、学生時代、これまでとこれから" を描いた初のエッセイ集。

こんな人におすすめ

  • [Alexandros] が好き
  • 邦ロックが好き
  • 音楽活動をしている
  • 帰国子女である
  • ポートレートを撮る

ロックバンド[Alexandros]のボーカル&ギター川上洋平さん初のエッセイ。本書は、シリアで過ごした幼少期、帰国後の学生生活、20代後半でデビューし、駆け抜けてきた音楽への思い、そしてこれからの人生について、川上さんがこれまで明かすことのなかったエピソードが描かれたエッセイです。セルフコーディネートを含む撮りおろしカットも多数掲載し、ファン必見の一冊です。

宝島社HP

以上、2022年9月の気になる新刊10選でした。
背筋が凍る恐怖ミステリが豊作の9月刊、お気に入りの一冊が見つかりますよう!

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