気になる新刊

【2022年10月】気になる新刊10選

2022年12月17日

はじめに

2022年10月の新刊800冊のなかから、文芸編集者の気になる10冊を厳選!
10作10色のオススメ作品が揃い踏み。まずはどの1冊から?

オススメ作品

小川哲『君のクイズ』

『地図と拳』で第168回直木賞候補作に選ばれた多彩なSF作家による「クイズ」ミステリ。「東大王」「QuizKnock」などクイズ番組好きには見逃せない1冊です。2023年本屋大賞ノミネート作として発表されました!

こんな人におすすめ

  • クイズ番組が好き
  • QuizKnockが好き
  • ミステリをよく読む
  • 頭が良くなりたい
  • 人生を見つめ直したい

生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

朝日新聞出版HP

第168回直木賞候補作はこちらの記事で紹介しています!↓

2023年本屋大賞ノミネート作が知りたい方はこちら!↓

内館牧子『老害の人』

何とも衝撃的なタイトル!表紙の初老男性が誰かに似ている気がするのは気のせいでしょうか。あなたはどんな人を「老害」だと思いますか?あるいは、自分自身が「老害」になってしまってはいませんか?

こんな人におすすめ

  • 老害かも、と心配になる
  • 介護に悩んでいる
  • 老いを怖れている
  • モヤモヤを解消したい
  • 人間関係に悩んでいる

双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、老害五重奏(クインテット)は絶好調。「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾!

講談社HP

原田ひ香『老人ホテル』

『三千円の使いかた』で話題の作者。「老」つながりですが、こちらは年齢差のある交流と主人公の女性の成長を描いたハートフルな物語です。

こんな人におすすめ

  • 大家族のもとで育った
  • 自堕落な生活をしている
  • 人生大逆転したい
  • 人生の師匠に出会いたい
  • 埼玉に縁がある

埼玉県の大家族で育った日村天使(えんじぇる)は、生活保護を受け自堕落な生活を送ってきた。大家族ファミリーとしてテレビにも出ていたが、16歳で家を出て、大宮のキャバクラ「マヤカシ」に勤める。そこでビルのオーナー綾小路光子と知り合った。数年後、訳あり老人が長逗留する古びたビジネスホテルにひっそりと暮らす光子と再会する。天使は、投資家だという光子の指南で、生きるノウハウを学ぶことになるが……。

光文社HP

雨穴『変な絵』

YouTuberホラー作家による大ベストセラー、間取り図ミステリ「変な家」につづく第2弾。新感覚の「謎」にかつてない衝撃を求められそうです。

こんな人におすすめ

  • ミステリに挑戦したい
  • ホラー小説が好き
  • 間違い探しが好き
  • YouTubeを見ている
  • 最後に衝撃を感じたい

30万部突破! ホラー作家兼YouTuberである雨穴氏による、自身初となる11万字書き下ろし「長編小説」! タイトルは『変な絵』。あなたも、何かがおかしい9枚の絵の「謎」が解けますか? とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』……。いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!? その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる! 今、最も注目を集めるホラー作家が描く、戦慄の国民的スケッチ・ミステリー!

双葉社HP

青柳碧人『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』

『むかしむかしあるところに、死体がありました。』や『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』など「昔ばなし×ミステリ」シリーズ最新作。不穏な展開から、目が離せません。

こんな人におすすめ

  • 本格ミステリが好き
  • グリム童話が好き
  • ファンタジーが好き
  • ディズニー映画を見る
  • ギャグ漫画をよく読む

前作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』でミステリー界に衝撃のデビューを果たした赤ずきんに相棒ができました。その名はピノキオ! とある目的があって一緒に旅をするのですが、ゆく先々でまたもや事件が発生します。『白雪姫』『ハーメルンの笛吹き男』『三匹の子豚』……。世界のみんなが知っている童話をベースにした連作本格ミステリ第二弾。今作も、あの決め台詞が炸裂します。

双葉社HP

寺地はるな『川のほとりに立つ者は』

心あたたまるヒューマンドラマ『水を縫う』の作者によるあらたな感動作。傷つきと向き合う、心の処方箋のような1冊です。2023年本屋大賞ノミネート作として発表されました!

こんな人におすすめ

  • カフェによく行く
  • 大切にしたい人がいる
  • 人間関係に悩んでいる
  • 恋人に秘密がある
  • 優しい気持ちになりたい

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

双葉社HP

2023年本屋大賞ノミネート作が知りたい方はこちら!↓

アニー・エルノー『嫉妬/事件』

2022年のノーベル文学賞を受賞したフランスの作家の中編2作を収録した文庫本。「世界文学の今」を知りたい方は必読です。

こんな人におすすめ

  • 翻訳小説が好き
  • 世界文学を知りたい
  • ノーベル賞を読みたい
  • 女性の葛藤を読みたい
  • フランスに縁がある

中絶手術が違法だった時代に妊娠することの葛藤を描く金獅子賞受賞映画の原作「事件」と、元恋人への盲執を描く「嫉妬」を併録。

早川書房HP

モノガタリプロジェクト『モノガタリは終わらない』

メルカリ公式Twitterで話題になったリレー連載。角田光代さん、伊坂幸太郎さん、三浦しをんさんなど超豪華執筆陣による幸福なショート・ショートです。

こんな人におすすめ

  • メルカリをやっている
  • ものを捨てられない
  • 思い出のものがある
  • 好きな作家を見つけたい
  • ショートショートが好き

21名のベストセラー作家が、モノの歴史を紡ぎ、人の記憶をひもとく。総インプレッション数1.26億!メルカリ公式Twitterにて話題の連載、待望の書籍化——。人から人へ、モノはめぐる。とっておきの物語をたずさえて。現代日本を代表する作家たちが、「捨てない」をテーマに、モノの「これまで」と「これから」を豊かに描き上げたショートストーリー集。物語のプロフェッショナルが織りなす"技"と"筆致"を一気に堪能できる、超豪華アンソロジー!

集英社HP

阿部暁子『金環日蝕』

青春小説を得意とする作者による、「王様のブランチ」で話題のミステリ。表紙からはみ出るほどの金星に不穏さが掻き立てられます。

こんな人におすすめ

  • ミステリが好き
  • バディにワクワクする
  • 探偵小説をよく読む
  • 犯罪心理を学びたい
  • 天文に興味がある

知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人探しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだった──。《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位『パラ・スター』の著者が、〈犯罪と私たち〉を真摯かつ巧緻に描いた壮大な力作。

東京創元社HP

伊藤詩織『裸で泳ぐ』

並々ならぬ勇気で性被害を告発し、日本の #MeToo 運動に大きな影響を与えた女性ジャーナリストによるエッセイ集。彼女が乗り越えた困難の大きさは、計り知れません。

こんな人におすすめ

  • #MeToo運動を知りたい
  • 今の社会問題を知りたい
  • 彼女に連帯したい
  • フェミニズムを学びたい
  • 乗り越えたい困難がある

あの日二五歳だった私はいま、三三歳になった――。事件、そして声をあげて、「それから」の日々を綴った待望のエッセイ集。突然、心の奥底で解除された感情。繊細でしなやかな友情。家族との時間。生まれていったつながり……日本の#MeTooを切りひらいた著者が、「ただの自分」の声を見つけるまで。

岩波書店HP

以上、2022年10月の気になる新刊10選でした。
年末年始のお休みのお供に、いかがですか。

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