気になる新刊

【2023年4月】気になる新刊10選

はじめに

2023年4月の新刊800冊のなかから、現役文芸編集者の気になる10冊を厳選!
ノーベル文学賞に1番近いといわれている世界的作家の新刊がついに!

オススメ作品

小川糸『糸暦』

1年の季節ごとに、旬を楽しみ味わう暮らしを等身大に綴ったレシピ付きエッセイ。心ゆたかに暮らす知恵が詰まった1冊。

こんな人におすすめ

  • エッセイをよく読む
  • 丁寧な暮らしに憧れる
  • 料理が好き
  • 季節を楽しみたい
  • 優しい気持ちになりたい

絶品の山菜料理、りんごケーキ、手作り石けん、自分流の年越しなど。12ヶ月に沿って、季節を愛おしみ、旬を味わう暮らしを、等身大に綴る小川糸の歳時記エッセイ。心ゆたかに暮らす知恵が詰まった1冊です。糸さんの季節を楽しむ料理のレシピ付き。

白泉社HP

村上春樹『街とその不確かな壁』

その街に行かなくてはならない、何があろうと――。夢と現実のあわいで〈古い夢〉が呼び覚まされるように物語が動き始める。村上春樹6年ぶりの新作長編。

こんな人におすすめ

  • 注目作を読みたい
  • 『ハードボイルド・ワンダーランド』が好き
  • 純文学をよく読む
  • ファンタジーが好き
  • 図書館によく行く

十七歳と十六歳の夏の夕暮れ……川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを――高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、そしてきみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。村上春樹が長く封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。

新潮社HP

西加奈子『くもをさがす』

カナダで、がんになった。慣れない土地で、友人や家族に助けられながら治療を受ける日々。祈りと決意に満ちた著者初のノンフィクション。

こんな人におすすめ

  • 身近な人が癌になった
  • 自分自身が病気になった
  • 慣れない土地で暮らしている
  • ノンフィクションが好き
  • 前を向いて生きたい

カナダで、がんになった。「私は弱い。徹底的に弱い」。でも――あなたに、これを読んでほしいと思った。祈りと決意に満ちた著者初のノンフィクション。

河出書房新社HP

一色さゆり『カンヴァスの恋人たち』

学芸員の史絵は、80歳の女性画家ヨシダの展覧会を担当することになる。交流を重ねるうちに次第に心をひらいたヨシダが語ったのは、秘められた愛についてだった――。

こんな人におすすめ

  • 美術館によく行く
  • 働く女性の話を読みたい
  • 学芸員に興味がある
  • 愛について考えたい
  • 本を読んで感動したい

碧波市の美術館に勤める学芸員の貴山史絵は、80歳の女性画家、ヨシダカヲルの展覧会を担当することになる。ヨシダは美術業界から一線を退いたあと、山奥のアトリエでひとり絵を書き続けていた。担当になった史絵は、東京で働く恋人との将来や、職場での人間関係、学芸員としてのキャリアに悩んでいた。今ではほとんど無名と言っても良いヨシダの展覧会開催に疑問を抱く史絵だったが、ヨシダとの交流を重ねるうちに、その不思議な魅力と、ひとり筆をにぎりつづける生き方に魅了され、自身も次第に変わり始める。展覧会の準備に奮闘する一方で、史絵はヨシダの過去が気掛かりだった。一時は戦後の女性画家として名を上げていたにもかかわらず、なぜ表舞台から消えてしまったのか。ふたたび絵を描き始めるまでの空白の10年間に何があったのか。ふたりが心を通わせたとき、ヨシダが語るのは、秘められた愛についてだった――。

小学館HP

近藤史恵『それでも旅に出るカフェ』

世界のさまざまなカフェメニューを提供するカフェ・ルーズ。日常のちいさな事件を、スイーツが解決していく。『ときどき旅に出るカフェ』につづく第2弾。

こんな人におすすめ

  • シリーズが好き
  • カフェによく行く
  • お菓子が好き
  • 日常ミステリが好き
  • 優しい気持ちになりたい

世界のさまざまなカフェメニューを提供する、カフェ・ルーズ。円が営むカフェもコロナ禍の影響を受けていて……。日常のちいさな事件や、モヤモヤすることを珍しいお菓子が解決していく。「こんなカフェに行きたい!」の声続々のコージーミステリー第二弾。

双葉社HP

大崎梢『27000冊ガーデン』

高校の図書館の司書、星川駒子と出入りの書店員の針谷敬斗のもとに、次々と持ち込まれる図書館や本にまつわる謎。心あたたまる日常ミステリ。

こんな人におすすめ

  • 日常ミステリが好き
  • 図書館によく行く
  • 青春小説が読みたい
  • 司書の仕事に興味がある
  • 本を読んで癒やされたい

星川駒子は県立高校の図書館に勤める学校司書だ。たまたま居合わせた出入りの書店員・針谷敬斗と共に、生徒が巻き込まれた事件の解決に一役買う。そんな二人のもとには、ディスプレイ荒らしや小口ずらり事件など、図書館や本にまつわる謎が次々と持ち込まれる!? 学校図書館を舞台にすべての本好きに贈る、心あたたまるミステリー。

双葉社HP

薬丸岳『最後の祈り』

妊娠中だった娘を殺された、牧師の宗佑。殺人犯の男には贖罪の意識はまるでなく、死刑執行を前に二人の対話が始まる。動機なき殺人の闇に迫る、究極の人間ドラマ。

こんな人におすすめ

  • 犯罪小説が好き
  • 重厚な物語を読みたい
  • 「無敵の人」を考えたい
  • 究極の問いを考えたい
  • 『ロスト・ケア』を観た

娘を殺した男がすぐ目の前にいる。贖罪や反省の思いなど微塵も窺えないふてぶてしい態度で。東京に住む保阪宗佑は、娘を暴漢に殺された。妊娠中だった娘を含む四人を惨殺し、死刑判決に「サンキュー」と高笑いした犯人。牧師である宗佑は、受刑者の精神的救済をする教誨師として犯人と対面できないかと模索する。今までは人を救うために祈ってきたのに、犯人を地獄へ突き落としたい。煩悶する宗佑と、罪の意識のかけらもない犯人。死刑執行の日が迫るなか、二人の対話が始まる。動機なき殺人の闇に迫る、重厚な人間ドラマの書き手・薬丸岳の新たな到達点。

KADOKAWA HP

杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』

大御所ミステリ作家が亡くなる直前、『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を書いていたという。息子の僕は、編集者の霧子さんの助言にしたがって調べていくが……。衝撃の話題作。

こんな人におすすめ

  • 話題作を読みたい
  • 最後に衝撃を感じたい
  • ミステリが好き
  • ライトノベルをよく読む
  • 青春小説を読みたい

大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。宮内は妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの一人と子供までつくっていた。それが僕だ。「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。何か知らないか」宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探し。編集者の霧子さんの助言をもとに調べるのだが――。予測不能の結末が待つ、衝撃の物語。

新潮社HP

千早茜『赤い月の香り』

カフェでアルバイトをしていた満は、依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す天才調合師の朔に一緒に働かないかと勧誘される。『透明な夜の香り』につづく「欲望」に向き合う物語。

こんな人におすすめ

  • 直木賞作家を読みたい
  • 『透明な夜の香り』が好き
  • ドラマチックな物語が読みたい
  • 香水が好き
  • 欲望について考えたい

「君からはいつも強い怒りの匂いがした」カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと勧誘される。朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す仕事をしていた。朔のもとには、香りにまつわるさまざまな執着を持った依頼人が訪れる。その欲望に向き合ううちに、やがて朔が満を仕事に誘った本当の理由が分かり……。香りを文学へと昇華させた、第6回渡辺淳一文学賞受賞作『透明な夜の香り』に続く、ドラマチックな長編小説。

集英社HP

冬野夜空『すべての恋が終わるとしても』

140字で綴られる、恋の始まりと終わり。「もっと早く告白しておけばよかった」TikTokを中心に共感の嵐を呼んだ、切ない別れを繊細に描いた短編集。

こんな人におすすめ

  • 話題作を読みたい
  • TikTokをよく見る
  • 恋愛小説が好き
  • 失恋ソングをよく聴く
  • 超短編が好き

140字で綴られる、恋の始まりと終わり――。(以下、本文『後悔しないように』引用)「もっと早く告白しておけばよかった」幼なじみの彼は言った。慎重なところが魅力な彼だけれど、今回はその人柄が裏目に出てしまったらしい。「元気出して」「まあ大丈夫。お前は俺みたいに後悔するなよ」こんな時ですら私の心配だ。でも、私はそんな彼のことが――。「じゃあ、後悔しないように言うね」

スターツ出版HP

以上、2023年4月の気になる新刊10選でした。
村上春樹&西加奈子の新作で書店も盛り上がった4月刊。気になった1冊からぜひ!

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