気になる新刊

【2022年11月】気になる新刊10選

2023年1月3日

はじめに

2022年11月の新刊800冊のなかから、文芸編集者の気になる10冊を厳選!
新人からベテランまで人気作家の新作が豊作!直木賞候補作もあり、見逃せません。

オススメ作品

米澤穂信『栞と嘘の季節』

『黒牢城』で第167回直木賞を受賞した作者による、累計25万部突破〈図書委員〉シリーズ待望の続編です。第1作『本と鍵の季節』につづけてぜひ!

こんな人におすすめ

  • 直木賞作家を読みたい
  • 青春小説が好き
  • ミステリをよく読む
  • 図書室が好きだった
  • 高校生と一緒に読みたい

高校で図書委員をつとめる堀川次郎と松倉詩門。ふたりは図書室の返却本の中に、トリカブトの花の栞を見つける。校舎裏でトリカブトが栽培されているのも発見し、そしてついには被害者が……「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。殺意の奥にある思いが心を揺さぶる、青春ミステリ長編。

集英社HP

第167回直木賞を受賞し2022年本屋大賞第9位にもなった『黒牢城』のレビューはこちら!↓

一穂ミチ『光のとこにいてね』

第168回直木賞候補作&2023年本屋大賞ノミネート作!本屋大賞第3位『スモールワールズ』でも話題の作者による感動作です。女性どうしの友情でもない恋愛でもない、複雑な相互感情を描いています。

こんな人におすすめ

  • 直木賞候補作を読みたい
  • 本屋大賞が気になる
  • 女子校に通っていた
  • BLをよく読む
  • 想いを伝えたい人がいる

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。

文藝春秋HP

詳しいレビューはこちら!↓

第168回直木賞候補作はこちらの記事で紹介しています!↓

2023年本屋大賞ノミネート作が知りたい方はこちら!↓

中山七里『特殊清掃人』

『さよならドビュッシー』で鮮烈なデビューを飾ったベテラン推理作家の新作ヒューマン・ミステリー。「誰もいなくなった部屋」の清掃を通じて死者に向き合います。

こんな人におすすめ

  • お仕事小説が好き
  • ミステリをよく読む
  • 大切な人が亡くなった
  • 介護職に就いている
  • 「死」について考えたい

誰もいなくなった部屋にこそ、住んでいた者の嘘のない生きざまが現れる──。特殊清掃業者〈エンドクリーナー〉には、日々、様々な依頼が押し寄せる。彼らの仕事をとおして、死者が抱えていた様々な事情が浮かび上がる。『護られなかった者たちへ』の著者が贈るヒューマン・ミステリー。

朝日新聞出版HP

品田遊『キリンに雷が落ちてどうする』

キリンに雷が落ちてどうする!衝撃的なタイトルに惹かれます。「ダ・ヴィンチ・恐山」の異名でも知られるライターが、毎日綴るセンスあふれる日記をまとめた1冊です。

こんな人におすすめ

  • エッセイを読みたい
  • ブログを読むのが好き
  • 日記を毎日つけている
  • 日々を大切に生きたい
  • 思考を整理したい

作家でライターの品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)さんが、1000日以上欠かさず発表してきた日記「ウロマガ」の書籍化が決定。品田遊さんの思考回路の軌跡を辿るぜいたくな一冊! 山素さんの描きおろし漫画も収録。

朝日新聞出版HP

青山美智子『月の立つ林で』

2023年本屋大賞ノミネート作!本屋大賞第2位『赤と青とエスキース』大人気作家による連作短編集。「月」をモチーフに人々のつながりを描いた心温まる傑作です。

こんな人におすすめ

  • 本屋大賞が気になる
  • ポッドキャストを聴く
  • 諦められない夢がある
  • 人間関係に悩んでいる
  • 人生を見つめ直したい

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。

ポプラ社HP

2023年本屋大賞ノミネート作が知りたい方はこちら!↓

武田綾乃『嘘つきなふたり』

吉川英治文学新人賞を受賞した『愛されなくても別に』作者が描く、「愛と友情と嘘だらけの衝撃作」。王様のブランチの特集でも話題になった1冊です。

こんな人におすすめ

  • ミステリをよく読む
  • 昔の同級生に再会したい
  • 大切な友人が欲しい
  • 修学旅行が京都だった
  • バレていない嘘がある

親元から離れ寮で生活する19歳・朝日光は、小学校の同級生だった長谷川琴葉と偶然再会する。当時の担任が川に転落したニュースが飛び込んできて動揺していると、琴葉が「私が先生を殺したの」と告白、そのうえ一緒に逃げてほしいと言う。しかし光は先生を殺した犯人は琴葉ではないと確信していた。なぜなら――。互いに秘密を抱えながら、ふたりは小学校の修学旅行先だった京都に向かう。『愛されなくても別に』の著者が描く、愛と友情と嘘だらけの衝撃作!

KADOKAWA HP

林真理子『成熟スイッチ』

『ルンルンを買っておうちに帰ろう』『不機嫌な果実』などで知られ、日本大学の理事長に就任した大ベテラン作家によるあらたな人生論代表作。

こんな人におすすめ

  • 40歳以上である
  • ビジネス書をよく読む
  • 処世術を知りたい
  • 最近「老い」を感じる
  • 人生を見つめ直したい

昨日とは少し違う自分になる「成熟スイッチ」はすぐそこにある――。ベストセラー『野心のすすめ』から9年、人気作家が成熟世代におくる待望の人生論新書。日大理事長就任、「老い」との近づき方など、自身の成熟の現在地を明かしながら、「人間関係の心得」「世間を渡る作法」ほか四つの成熟のテーマについて綴っていく。先輩・後輩世代とのつき合い方、自分の株が上がる「お礼」の方法、会話を面白くする「毒」の入れ方など、著者ならではの成熟テクニックが詰まった一冊!

講談社HP

日比野コレコ『ビューティフルからビューティフルへ』

2003年生まれの新奇才、文藝賞受賞作です。王様のブランチの特集でも取り上げられ、過激でパンチが効いた言語感覚が話題に。タイトルも魅力たっぷりです!

こんな人におすすめ

  • Z世代を知りたい
  • ロックやラップが好き
  • 新人作家を読みたい
  • 純文学作品が好き
  • 言語感覚を磨きたい

絶望をドレスコードにして生きる高校三年生の静と、ネグレクト家庭に育ち「死にたい歴=年齢」のナナ。ある晩、受験生のナナが単語カードを片手に歩いていると、駅前でサイファーをしている若い男に声をかけられた。ナナは気まぐれで、彼=ビルE を、静と自分の通い慣れている「ことばぁ」という老婆の家に誘うが――。

河出書房新社HP

山田詠美『私のことだま漂流記』

『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞を受賞し、今は芥川賞選考委員を務める大ベテラン作家が、波乱万丈の人生をふりかえって綴る自伝的小説。

こんな人におすすめ

  • 波乱万丈の物語が好き
  • エッセイをよく読む
  • 小説家の人生を知りたい
  • 私小説を書いてみたい
  • 人生を見つめ直したい

初めて「売文」を試みた文学少女時代、挫折を噛み締めた学生漫画家時代、高揚とどん底の新宿・六本木時代、作家デビュー前夜の横田基地時代、誹謗中傷に傷ついたデビュー後、直木賞受賞、敬愛する人々との出会い、結婚と離婚、そして……積み重なった記憶の結晶は、やがて言葉として紡がれる。「小説家という生き物」の魂の航海をたどる本格自伝小説。

講談社HP

加納愛子『これはちゃうか』

「THE W」でも3年連続決勝進出、旬のお笑いコンビ「Aマッソ」の加納による初の短編小説集。インパクトのある表紙にも惹きつけられます。

こんな人におすすめ

  • お笑い番組が好き
  • 「THE W」を観ていた
  • ライトなミステリが好き
  • 奇想天外におどろきたい
  • 短編集を読みたい

Aマッソ加納愛子、初の小説集!「文藝」掲載の短編「イトコ」「最終日」「宵」「ファシマーラの女」に、「了見の餅」「カーテンの頃」を加えた全6篇の作品集。

河出書房新社HP

以上、2022年11月の気になる新刊10選でした。
デビュー作から大ベテラン作家の新作まで、充実したラインナップをお楽しみください!

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